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ミンヨンは「倍音の法則」という小説を書くソウルの大学生、混迷する現代の不安を一身に感じている。夢見がちな彼女にはユンヨンという仲のよい妹がいる。二人は子どもの頃、日本で暮らしたことがあり、日本語も英語も堪能だ。そして二人はなによりもモーツァルトの音楽が大好きだった。ミンヨンは亡き祖母が遺した一枚の古い写真になぜか心をとらわれている。祖母の親友、日本人の佐々木すえ子一家を撮った戦時中の写真だ。ある日、英語教師を目指すユンヨンは実習のために日本へ渡った。ミンヨンもすえ子への思いを抑えきれずに、ユンヨンの後を追うように日本を旅するようになる。

東京でミンヨンはストリートチルドレンのユウに出会う。自分を捨てた母への思いをミンヨンに重ねるユウの存在はミンヨンの胸に深くきざまれ、二人は強い絆で結ばれてゆく。また彼女は早稲田大学に留学時の親友旦部と再会する。旦部はフリージャーナリストとして、社会の暗部を取材し、常に何者かに追われていた。彼女がゆく先々でめぐり合う人々、風鈴作り、サッカーの笛作り、塩作り、カメラをもつ謎の老人、長崎へ旅する神父の姿をした男、ピアニスト‥‥様々な人や事柄が響きあってゆく。そして突然訪れる旦部の謎の死。しかしモーツァルトの曲がたえず彼女を先へと導く。そしてとうとうミンヨンはすえ子がかつて住んでいた屋敷を探しあて、70 年余りの時を超えて戦時下のすえ子の過酷な人生を生きる。

すえ子の夫は新聞記者。戦火がひろがる中、夫は軍部を批判する記事を書いたために新聞社を解雇され、汽車での旅行中、息子の前で何者かに殺害される。以降、すえ子と息子は厳しい社会統制化、人間らしく生きようとしたために様々な苦難を経験するのだった――――そして現代に戻ったミンヨン。彼女は人々との交流や音楽の奥深い魅力を心にきざみ、ハーモニーへの夢を育んでゆく。